「父子一身」という言葉
「父子一身」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
「夫婦一身」ならありそうですが
父と子が一身であるという言葉はほとんど耳にすることがなく生活してきました。
父子関係を考えると、父子一身という言葉が導き出されます。
すなわち
父母の愛が原因であるなら、その子供は愛の実である、結実である・・このようにみます
その結実と原因はかけ離れたところから出発したのではなく、
一つのところから出発しました。
結実と原因は一つであるということ。
「私」という存在は、父母が愛しあう場の結実として登場した存在です
愛と一体化した原因と結果の位置を対等にもって生まれたのが
父子の関係において子供であると。
ですから、私とは何者なのかというなら
父母の本然的な愛が出発する根源に共にあった者であり
父母の愛の結実として登場した者なのです。
原因と結果が一つのところから出発したために
切っても切ることができないのです。
原因的な父母の愛と、結果的な私の生命の愛の根源は 一つなのです。
そういう意味で考えるとき
愛を中心として、「父子一身」ということばが成り立つのです。